支援の背景・きっかけ
同社の経営者は、「環境問題に真剣に向き合い、クライアントの課題を自分ごととして解決する」という強い信念を持って事業を営んでいました。創業時から大切にしてきたその想いは、会社のホームページや社内資料にも記されていましたが、経営者自身が感じていたのは「理念は掲げているが、社員の行動に反映されていない」という違和感でした。
例えば、クライアントへの提案場面で「コスト最適化」だけを優先した提案が出てきたり、社内の意思決定の場面で「なぜそうするのか」の根拠が理念に結びついていなかったりする場面が見受けられました。理念が「壁に貼ってあるもの」になってしまっており、社員の判断基準や行動に生きていない——そうした課題感を経営者が強く持っておられました。
「理念を本当の意味で組織に根づかせたい」という想いのもと、BWH総合研究所にご相談いただきました。
課題のポイント
・経営理念が言語化されているが、社員の日常行動に反映されていない
・理念と行動の間をつなぐ「行動指針」が存在しない
・社員が理念を「自分ごと」として捉えられていない
・経営者の想いを社員全員が理解・共感できる機会が設けられていなかった
支援のアプローチ
BWH総合研究所では、「理念を"伝える"のではなく、社員が"自分で発見する"プロセスを設計する」ことを基本方針としました。経営者から社員への一方的な理念の伝達ではなく、全社員が対話を通じて理念の意味を自分なりに解釈し、行動に落とし込むワークショップを設計・ファシリテートしました。
Step 1:経営者へのディープダイブインタビュー
ワークショップの設計に先立ち、経営者への深いインタビューを実施しました。「なぜこの事業をやっているのか」「大切にしている価値観は何か」「どんな組織にしたいのか」——こうした問いを重ねることで、経営者の頭の中にある想いを言語化し、ワークショップの素材として整理しました。
このプロセスを通じて、経営者自身も「自分が大切にしていることを、こんなに言語化したのは初めてだ」という気づきを得られたとのことでした。
Step 2:全社員参加型ビジョンワークショップの設計と実施
インタビューで得た素材をもとに、全社員(約25名)が参加する半日のワークショップを設計・ファシリテートしました。ワークショップは3部構成で設計しました。
Step 3:行動指針の整理と日常業務への落とし込み
ワークショップで生まれた行動指針の原案を整理・洗練し、全社員が日常的に参照できる形にまとめました。また、行動指針を採用面接・評価制度・社内表彰などの仕組みに組み込むための具体的な提案も行い、「ワークショップで終わり」にならない継続的な浸透の仕組みを整えました。
支援の成果
- 全社員(約25名)が参加するビジョンワークショップを1回実施
- 社員の手で作られた行動指針を5項目策定・全社展開
- ワークショップ後の社員アンケートで「理念への共感度」が大幅に向上
- 行動指針を採用・評価制度に組み込む具体的な仕組みを設計
- 「理念は経営者のもの」という意識が変わり、社員が理念を自分ごととして語るようになった
- 経営者と社員の間に「同じ方向を向いている」という一体感が生まれた
- 日常の業務判断の場面で「これは理念に合っているか?」という問いが自然に出るようになった
- 採用面接で行動指針を活用することで、文化適合度の高い採用が実現しつつある